みなさん、こんにちは。クラウド会計専門公認会計士・税理士の中田裕司(なかたゆうじ)です。
突然ですが、自社の決算書を見るとき、どういう視点でご覧になっていますか?
「売上が◯◯円だった」「営業利益が△△円だった」とか、決算書を見ればその事実はわかりますよね。
ですが、「なぜ、売上が増えたのか?」「なぜ、利益が減ったのか?」という視点でご覧になっていますか?
決算書に表示される業績は単年度なので、決算書を見ただけでは、売上や利益が増えた(減った)かもわかりませんし、無論、なぜ増えた(減った)のかもわかりません。
複数年度の業績を並べて比較すると、「売上が◯◯円だった」「営業利益が△△円だった」だけでなく、金額でいくら増えた(減った)も明らかになるので、「なぜ増えたの(減ったの)?」を知りたくなるのが人間というものです。
(そうあってほしいという願望もあります。。。)
そして、複数年度の業績を並べて比較と言っても、2年分では不足です。
本日は、なぜ、業績分析をするときに、2年分だけでは不足なのかを紹介します。

2年分の業績比較では不足なワケ
2年分の業績比較では不足な理由は、
- 中長期のトレンドをつかめないため
です。
2年分の比較だと、基準が前年度だけなので、トレンドをつかむことができず、当期の数値が正常なものか、異常なものかを判断することが難しいです。
当期の数値が正常か異常かわからないということは、「なぜ、売上・利益が増えた(減った)のか?」を説明することができません。
「なぜ、売上・利益が増えた(減った)のか?」を説明できない決算書を、金融機関や出資者の方が信じるはずがありません。
じゃあ、何年分ならいいの?
「2年分で不足なら、何年分ならいいの?」となりますよね?
これには何年分なら正解というものはありませんが、「最低3年分」ということは言えます。
2年分では不足ですから、最低3年分なのは当然ですが、会社・業種によって、3年分で中長期のトレンドをつかめないことがあると思います。
その場合、事実を把握できるところまで、4年分、5年分と増やして、いいわけです。
最終目標は、当期の決算書がなぜこのような数値になったのかを説明できることであって、業績比較は事実を把握する手段ですので、年数にとらわれることのないよう、お願いいたします。
ちなみに、わたしが監査法人で監査をしていたとき、5年分の業績を並べて比較することを推奨されていました。
(監査法人の監査では、会社に潜む会計上のリスクを把握する目的で、業績比較を行います)
また、決算書と言った場合、損益計算書(P/L)に着目しがちですが、貸借対照表(B/S)にも着目してください。
B/Sの全ては無理でも、最低限、「現金預金」「借入金」「純資産」だけでも説明できるようにして頂ければと思います。
まとめ
業績分析をするときは、2年分では不足で、最低3年分は必要です。
中長期のトレンドをつかみ、会社に何が起きたかという事実を把握し、自社の決算書の内容を説明することができます。
自社の決算書を説明できないことには、金融機関や出資者からの信頼を得られません。
編集後記
昨日、UEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメントの組み合わせ抽選会が行われました。
わたしがサポーターのリバプールは、ドイツのRBライプツィヒと対戦することが決まりました。
RBライプツィヒのナーゲルスマン監督は、まだ33歳ですが、世界で注目されている監督のひとりです。
対戦は2月中旬なので、まだ先ですが、打ち合いになりそうで、今から楽しみです。
(アトレティコじゃなくて良かった。。。)
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