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セール・アンド・リースバックって何?

みなさん、こんにちは。freee専門公認会計士・税理士の中田裕司(なかたゆうじ)です。

2020年12月24日に、エイベックス株式会社のニュースリリース「固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ」で、南青山にある本社ビルを2021年3月26日に譲渡することになりました。
(守秘義務の関係で、譲渡先は非公開)

同ニュースリリース に、

今後の当社オフィスにつきましては、譲渡先とリースバック契約を締結し、一定期間入居する予定です。

2020年12月24日付 エイベックス株式会社 ニュースリリース「固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ」4.譲渡後の対応より抜粋

とありました。

一定期間入居する予定とあるので、譲渡後もそのまま本社ビルを使うようです。

このように、不動産を譲渡したものの、譲渡後も譲渡先と賃貸借契約を結ぶことを「セール・アンド・リースバック」と言います。

今日は、「セール・アンド・リースバック」について紹介します。

目次

セール・アンド・リースバックのメリット

「セール・アンド・リースバック」では、譲渡した後も、譲渡資産を使い続けます。

だったら、「なんでわざわざ譲渡するの?」という思われたかもしれません。

一般的に、「セール・アンド・リースバック」をすると、次のような効果が期待できるため、「セール・アンド・リースバック」をします。

  • まとまったお金が手に入り、キャッシュフローが改善する
  • 固定資産税や保険など所有することによるコストや管理業務が不要になる

まとまったお金が手に入り、キャッシュフローが改善する

管理部門などが入居する本社ビルは、固定資産のまま保有していても、必ずしもお金になるわけではないので、それならいっそのこと売ってしまって、現金化しようとなることがあります。

譲渡して得たお金で、借入金を返済したり、新規事業に投資したりするわけです。

固定資産税や保険など所有することによるコストや管理業務が不要になる

不動産を保有していると、市区町村に固定資産税を納める必要があります

譲渡すると、固定資産税は譲渡先が納めることになりますので、固定資産税が不要です。

また、不動産を保有していると、火災保険などの保険に入る必要がありますが、譲渡先(不動産の所有者)が保険に入るので、保険料が不要です。

さらに、自社で保有していると、不動産の管理業務を自社で行う必要がありますが、譲渡先にリース料を支払うことで、譲渡先が管理業務を行うので、管理業務も不要になります。

セール・アンド・リースバックのデメリット

セール・アンド・リースバックのメリットを紹介しましたが、当然、デメリットもあります。

一般的に、次のようなデメリットがあります。

  • 家賃が譲渡前のコストより高くなることがある
  • 売却額が相場より安くなる傾向がある

家賃が譲渡前のコストより高くなることがある

メリットの箇所で、固定資産税や保険料が不要になると紹介しましたが、譲渡先である大家さんは、固定資産税や保険料を負担し、管理業務を行ったうえで、利益を出す必要があります

そう考えると、大家さんが家賃を割高に設定しても不思議ではありません

売却額が相場より安くなる傾向がある

不動産を保有している側は、往々にして、すぐにお金が欲しいから売却を希望することが多いです。

譲渡先からすると、相手の足元を見て譲渡交渉をすることができ、結果として、売却額が相場より安くなることがあります。

セール・アンド・リースバックの会計処理

概要

セール・アンド・リースバックは、不動産の譲渡と物件を借りることを同時に行うものです。

不動産を譲渡したことにより、貸借対照表では、流動資産の預金が増え、不動産(=有形固定資産)が減り、売却損益が損益計算書の特別損益(場合によっては営業外損益)に計上されるのが一般的です。
(「オペレーティング・リース取引」といいます)

しかし、セール・アンド・リースバックの中には、固定資産とリース債務を計上し、譲渡損益を損益計算書に計上しない会計処理をすることがあります。

具体的には、次の要件をいずれも満たすと、上記のような会計処理をすることがあります。

  • 賃貸借契約期間中に解約できない
    もしくは、解約できるけど相当の違約金を払わないといけないなど事実上解約できない
  • 解約不能の賃貸借契約期間中の家賃総額が、売却額のおおむね90%以上
    もしくは、解約不能の賃貸借契約期間が、当該物件の耐用年数のおおむね75%以上

ちなみに、上記の2つの要件を満たしたリース取引を「ファイナンス・リース取引」といいます。

文章ですと、イメージしづらいので、スライドで紹介します。

ファイナンス・リースの会計処理って何でこんなことするの?

ファイナンス・リース取引の場合、譲渡損益を計上しないし、固定資産とリース債務を計上しますが、これは、不動産を担保にしてお金を借りて、借りたお金で新たに不動産を買ったとみなすということです。

そのため、売却額と同額の固定資産を資産として、リース債務を負債として、それぞれ計上して、お金を借りて不動産を買ったと同じ状況を、貸借対照表で表現します。

エイベックスの場合

エイベックスの場合、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引のいずれでしょうか?

ニュースリリースに、

当該固定資産の譲渡に伴い発生する譲渡益は、290億円を見込んでおり、2021年3月期第4四半期連結会計期間において特別利益として計上する予定です。

2020年12月24日付 エイベックス株式会社 ニュースリリース「固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ」7.今後の見通しより抜粋

とあり、譲渡益を計上するため、「オペレーティング・リース取引」と考えられます

まとめ

「セール・アンド・リースバック」は、不動産の売却取引と賃貸借取引を同時に行うものです。

ですが、ファイナンス・リース取引に該当すると、借りたお金で不動産の購入をしたものと評価され、不動産が貸借対照表に残ります。

編集後記

今日は、クリスマス・イブですね。

だからといって、特に何をするわけでもなく、いつもと同じ日常を送ります。(知らんがな)


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