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小口現金 必要ですか?

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みなさん、こんにちは。クラウド会計専門公認会計士の中田裕司(なかたゆうじ)です。

在宅勤務で自宅などでお仕事されている方も増えていますが、会社で仕事しているとき、会社の経費を立て替えて、現金で精算したことはありませんか?

最近は、経費精算システムが普及し、給料振込時に経費精算する会社も増えていますが、中小企業ではまだまだ小口現金を使って精算するケースが多いです。

小口現金ですが、使う側には手軽に使えますが、管理する経理側にはデメリットしかなく、その結果、会社全体に悪い影響を及ぼします。

今日は、小口現金が会社に及ぼす悪影響を明らかにし、小口現金を廃止することを提案します。

目次

小口現金のメリット

立替えた従業員の負担感が小さい

立替経費を給与振込と一緒に精算する場合、立替えてから精算されるまでの期間が長く、一時的ですが、資金負担が大きいです。

一方、小口現金があれば、立替えたその日に精算してもらうことも可能なので、立替えた方の資金負担は小さいです。

急な支出にも対応できる

急を要する支出があるけど、立替えるお金がない場合、経理にお願いすれば、金庫にある範囲の中で支出してもらえ、機動的に支出することができます。

小口現金のデメリット

現物管理が煩雑

小口現金の出し入れがあると、帳簿に記録して、帳簿と現物の残高が一致しているかどうかを確認して、それを上長がチェックしてという手順を踏みます。

1円でも、100万円でも、現金の出し入れがあればやることは一緒です。
(1円しか動かないことは現実的ではないですが、数百円くらいならありえますよね)

1円でもずれれば、担当者は原因を特定できるまで帰れま10、いや、帰れません。

少額の経費精算のために、どれだけの人が動いて、どれだけの人件費がかかるでしょうか。

月給30万の方が5分かけて小口現金の管理をする場合、30万円×5分÷(22日×8時間×60分)≒142円かかります。

たった数百円のために、そうした見えないコストがかかっていることを認識する必要があります。

銀行預金より盗難・紛失リスクが高い

銀行に預ければ、銀行が管理してくれますが、自社に現金として置けば、金庫に保管して管理します。

自社の金庫で管理するのと、銀行が管理するのとでは、どちらが厳重に管理できるでしょうか?

多くのお金を預かる銀行が管理する方が厳重ですよね。

自社に現金を置いておけば、紛失することもありますし、盗難されるかもしれません。

経理担当者は盗難・紛失されないように気を配るなど、精神的に負担があります。
(わたしが経理担当者だったら、人様の現金なんて管理したくないです)

小口現金が会社に悪影響を及ぼす?

冒頭、小口現金が会社に悪影響を及ぼすとお伝えしましたが、どんな悪影響でしょうか?

それは、「経理作業の停滞→決算が遅くなる→経営判断が遅れる」 です。

何を大げさなと思われたあなた、経営者がどうやって経営判断をしていると思いますか?

それは、経理がとりまとめた会計情報を使って経営判断をしています。

つまり、経理が会計情報を迅速に正しくとりまとめ、経営者に提供することが重要です。

小口現金を出し入れするたびに業務を中断しなければならず、現金管理以外にも多くの業務を抱える経理担当者のパフォーマンスが低下します。

1件の金額は少ないですが、積もり積もって経理の業務負担は大きくなります。

会計情報をとりまとめる工程にも影響し、正しくない会計情報が提供され、誤った経営判断をすることもあります。

会社全体のことを考えて、小口現金は廃止すべきです。

小口現金を廃止するために

小口現金は廃止すべきとして、どうやったら廃止できるでしょうか?

  • 経費精算システムを導入し、給与振込と一緒に経費精算する
  • 法人クレジットカードを支給する
  • 事務用品をネットで購入する

といった方法があります。

経費精算システムを導入し、給与振込と一緒に経費精算する

給与振込時に一緒に経費精算するに当たり、締め日を決めて一定の期日に申請してもらう必要があります。

紙やExcelで経費申請するケースをよく見かけますが、これはやめましょう。

申請者が少数なら紙・Excelもありえますが、何十人もの紙・Excelの申請が来たら、経理担当者の負担は小口現金の比ではありません。

紙・Excelではなく、経費精算システムを導入して経費申請をしましょう。

どの経費精算システムがいいかは、会社によって異なりますので、ここでは触れませんが、ネットで検索すれば、いくらでも出てきますので、これはと思うものを比較して導入すると良いでしょう。

なお、経費申請のルールとして、「月2回締め日を設けて、締後1営業日以内に申請する」をおすすめします。

月1回だと、翌月初の経理担当者の負担が大きかったり、申請する方も忘れやすかったりする一方、月2回では、経理担当者の負担が分散され、また、申請する方も忘れにくいです。

締後1営業日以内としたのは、日々記録していれば、1営業日以内で申請できるはずですし、2営業日以上かけることは月次決算の遅延を招くからです。

わたしが経理マネージャーとして勤めていた事業会社では、入社した当初、「15日と月末を締め日にして、締後3営業日以内に申請する」としていましたが、締め日は変えずに「締後1営業日以内に申請する」に変え、月次決算の早期化につながりました。

法人クレジットカードを支給する

法人クレジットカードは、利用履歴が残り、従業員の資金負担もありません。

また、クレジットカードの支払いは口座振替なので、振込手続も不要となり、経理担当者の負担も減ります。

ただし、多くの人に支給すると、カードの管理が煩雑になるので、支給対象者は一定の職位以上に限定します。

事務用品をネットで購入する

文房具店やコンビニ等で立て替えて事務用品を購入している場合、事務用品を購入できる通販サイトを利用して購入しましょう。

クレジットカード決済もできる通販サイトもあり、振込手続が不要となるのは上述の通りです。

なお、事務用品ではありませんが、切手・収入印紙も金券ショップの通販サイトを使って購入することできますので、検討してもよいでしょう。

まとめ

小口現金は、使う側にとって、資金負担が少ない・機動的に対応できるといったメリットがありますが、経理担当者の負担が大きく、誤った経営判断をする事態を招くので、廃止すべきです。

小口現金を廃止しても支障がないように、経費精算システム導入+給与振込時に精算、法人クレカを支給、事務用品のネット購入などの代替手段を用意します。

編集後記

最近、めっきり寒くなりましたね。

家にいることが多いのですが、部屋着として、アンダーアーマーのジャージをポチりました。

これまでは、アディダスを着ることが多かったですが、このところ、アンダーアーマーばっかりです。

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