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決算書をざっくり説明してみました vol.1

みなさん、こんにちは。freee専門公認会計士の中田裕司(なかたゆうじ)です。

そろそろ、3月決算企業の中間決算発表が本格化するころですね。

株式投資をされている方、経理業務をされている方、経営者の方などは、決算書を読むことは難しくないと思います。

しかし、これから株式投資をしようとしている、経理業務をやったことがない、起業したばかりといった方などは、決算書を見たことない、決算書を見たことはあるけど理解できないという方も多いと思います。

不定期ですが、今日から、「決算書をざっくり説明してみました」と題して、決算書を理解するための助けとなるよう、決算書の様々なことについて紹介していきます。

目次

決算書って何?

そもそも、決算書って、

  • なぜ
  • 何のルールを根拠に
  • どういうもの

をつくるのか? ということを見ていきます。
(作成主体は株式会社、単体決算を前提とします)

なぜ決算書をつくるのか?

利害調整のため

株式会社は、株主、債権者、経営者、従業員、取引先、投資家などの利害関係者と関わりを持ちながら、事業活動を営んでいます。

そうした中で、株式会社は多くの資金が必要ですが、会社が自分で資金を用意することは難しいです。

そのため、会社は株主から出資を募ったり、金融機関から借り入れをしたりして、事業活動の資金を集めています。

一方、株主が出資したり、金融機関が貸付をしたりするのは、出資や貸付によって一定の利益が得られると期待するからです。

株主は会社にお金を託して、経営者に経営をしっかりやってもらい、出資の見返りとして配当を期待します。

金融機関は貸付の見返りとしての利息を期待し、貸したお金が返済されるかに注目します。

そうした期待の中で、2つの利害対立が発生します。

1つ目は、株主と経営者の利害対立です。

経営者は株主から資金を預かって経営しているため、株主の利益のために行動する必要があります。

しかし、必ずしも経営者は誠実ではなく、株主の意に沿わない行動をする可能性があります。

そこで、経営者がきちんと経営をした結果、株主が期待した配当が得られるかどうかを判断できるように、会社は決算書を作成し、会社は「ちゃんと経営したよ」と株主に訴えることで、株主と経営者の利害対立を解消します。

2つ目は、株主と金融機関(債権者)の利害対立です。

債権者は、株主と違って、会社に対する発言権はありません。

そのため、会社と株主が結託して際限なく配当がなされても、債権者には止めることができません。

そうなると、配当によって会社の資金が株主にわたると、債権者は貸したお金が返ってこなくなることをおそれ、貸付をためらい、結果として、会社が必要な資金調達ができないかもしれません。

そのため、配当の上限を定めて、債権者を保護する必要があり、配当の上限を定めるための基礎として、会社は決算書を作成し、配当の上限を超えないような配当金を支払うことを、債権者に訴えるわけです。

情報提供のため

先ほど、会社は、株主、債権者、経営者、従業員、取引先、投資家といった利害関係者と関わりを持って事業活動を営んでいると述べました。

利害関係者は、なぜ、会社と関わりをもつのでしょうか?

それはやはり、会社と関わりを持つことにより、一定の利益を期待しているからです。

経営者は役員報酬、従業員は給与、取引先は売上、株主・投資家は配当や株式の値上がり益、債権者は利息といった感じです。

ただ、一定の利益を期待していると言っても、相手の素性が分からないと怖くて取引できません。

そこで、利害関係者の「相手の素性が分からない」という不安を解消するべく、会社は決算書を作成して、「わたしの会社はこんな会社です」という情報を提供するわけです。

何のルールを根拠につくるのか?

株式会社を前提とすると、会社法と金融商品取引法を根拠として、決算書を作成します。

会社法はすべての会社が当てはまり、金融商品取引法は主に上場企業が当てはまります。
(非上場企業でも、金融商品取引法による決算書は作成する可能性はありますが、要件が複雑なため、割愛します)

実は、決算書の呼び名が、会社法と金融商品取引法では異なります

第435条

2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

出典:会社法

第1条

金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「法」という。)第5条、第7条第1項、第9条第1項、第10条第1項、第24条第1項若しくは第3項(これらの規定を同条第5項において準用する場合を含む。)・・・(省略)・・・の規定により提出される財務計算に関する書類(以下「財務書類」という。)のうち、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書・・・(省略)・・・の用語、様式及び作成方法は、第1条の3を除き、この章から第8章までの定めるところによるものとし、この規則において定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。

出典:財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

会社法では計算書類、金融商品取引法では財務諸表という呼び名です。

ただ、呼び名は違いますが、基本的に内容は一緒です。
(一緒にしてくれよと思いますが、会社法を所管するのが法務省、金融商品取引法を所管するのが金融庁なので、どうしようもないのが実情です)

なぜ決算書をつくるのかとの関係

実は、会社法の計算書類と金融商品取引法の財務諸表は、前のセクションの「なぜ決算書をつくるのか?」と深く関係していて、会社法の計算書類→利害調整、金融商品取引法の財務諸表→情報提供という役割を担っています。

計算書類は株主総会に提出され、会社の経営がちゃんとしていたのか、配当額はルールの枠内で決められたのかを、株主総会でチェックします。

財務諸表は「有価証券報告書」に記載され、幅広く開示されますので、株主に限らず、いろんな利害関係者が会社の情報を得ることができます。
(有価証券報告書は財務諸表だけでなく、会社のビジネス、事業のリスク、設備投資、株式、内部機関のことなど決算書だけでは読み取れない情報が記載されます)

どういうものをつくるのか?

会社法と金融商品取引法で決算書の呼び名は違うものの、基本的に内容は一緒と述べました。

しかし、微妙に違っているところもありますので、紹介します。

会社法

第435条

株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

出典:会社法

第59条

法第435条第2項に規定する法務省令で定めるものは、この編の規定に従い作成される株主資本等変動計算書及び個別注記表とする。

出典:会社計算規則

計算書類は、「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表」です。

第435条第2項の「その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるもの」が株主資本等変動計算書と個別注記表です。

金融商品取引法

第1条

・・・(省略)・・・財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書・・・(省略)・・・の用語、様式及び作成方法は、第1条の3を除き、この章から第8章までの定めるところによるものとし、この規則において定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。

出典:財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

財務諸表は、「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書」です。
(計算書類の個別注記表に相当するものがありませんが、「用語、様式及び作成方法は、第1条の3を除き、この章から第8章までの定めるところによるものとし、」の中に、 注記に関する規定が含まれていますので、事実上同じと考えていいでしょう)

会社法と金融商品取引法の違いは、「キャッシュ・フロー計算書」です。

この違いは定かでは有りませんが、金融商品取引法では投資の判断に資するように、会社法より詳細な情報を開示することを意図し、また、計算書類の作成時期が決算日後1ヶ月程度、有価証券報告書の作成時期が決算日後3ヶ月以内というタイムラグがある中で、計算書類にキャッシュ・フロー計算書を含めることで過度の負担にならないような配慮があったものと思われます。

この後、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書について簡単に紹介します。
(個別注記表は上記書類の補足資料で、多岐にわたるため、紹介は割愛します)

決算書の紹介

貸借対照表

貸借対照表は、決算日時点の「集めた資金」「集めたお金で投資した結果」を示すものです。

「集めた資金」→負債と純資産で表し、返す義務のあるお金は負債、返さなくていいお金は純資産です。

「集めたお金で投資した結果」→資産と表します。また、資産=負債+純資産の関係が成り立ちます

損益計算書

損益計算書は、1年間の事業活動の結果、「投資して得られた成果」「成果を得るための犠牲」がいくらだったかを示すものです。

「投資して得られた成果」→収益、「成果を得るための犠牲」→費用と、それぞれ表します。

また、収益と費用の差額を利益と表します。
(収益>費用の場合)

株主資本等変動計算書

株主資本等変動計算書は、1年間の事業活動の結果、純資産がどのように変動したかを、項目ごとに示すものです。

純資産の項目としては、資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式などがあります。
(純資産については別の機会に紹介しますので、今は↑の項目があるんだなくらいに思っていただければ十分です)

キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書は、1年間の事業活動の結果、どれだけ現金や預金の流入・流出があったかを示すものです。

キャッシュ・フロー計算書は、事業活動を、営業活動、投資活動、財務活動の3つに分けて、それぞれごとのキャッシュ・フローを表示します。

  • 営業活動によるキャッシュ・フロー→本業で得た or 失ったお金
  • 投資活動によるキャッシュ・フロー→資金運用や設備投資に費やした or 得られたお金
  • 財務活動によるキャッシュ・フロー→会社運営のために集めたお金 or 支払ったお金

今日は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書を簡単に紹介しましたが、次回以降、深掘りして紹介します。

まとめ

決算書には、利害調整と情報提供の機能があり、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書があります。

日本では、会社法と金融商品取引法の規定により決算書を作成し、会社法(計算書類)→利害調整、金融商品取引法(財務諸表)→情報提供の機能を担っています。

編集後記

ヨーグルトメーカーで豆乳ヨーグルトを作ったのですが、写真を取り忘れたので、次作ったときは、作り方を含めてブログで紹介しようと思います。

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