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自社の強み・弱みを把握してますか?

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みなさん、こんにちは。クラウド会計専門公認会計士の中田裕司(なかたゆうじ)です。

今年は、新型コロナウィルスの影響で、世界的に経済活動に影響が出ていますよね。

新聞やニュースでも、上場企業の業績が軒並み減益、もしくは、赤字転落になったというニュースをよく目にします。

一方で、自社の強みを活かして、経済活動が停滞している状況でも増益になった企業もあります。

本日は、自社の強み・弱みを理解するためのセグメント別損益管理について紹介したいと思います。

目次

損益とは?

セグメント別損益管理の話をする前に、損益についてお話ししたいと思います。

損益を一言でいうと、損益=収益ー費用です。

今は、売上から各種経費を差し引いた残りと理解頂ければ十分です。

損益には、5つの種類があります。

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種類内容備考
売上総損益売上ー売上原価粗利ともいう。
仕入れた商品や製造した製品を売ったときの損益
営業損益売上総損益ー販売費及び一般管理費販売費及び一般管理費は人件費、広告宣伝費、家賃などの各種経費をいい、営業損益は粗利から各種経費を差し引いた残りで本業のもうけ
経常損益営業損益+営業外収益ー営業外費用営業外収益(費用)は本業以外からのもうけ(費用)
営業外収益の例:利息、株式の配当金、各種補助金など
営業外費用の例:借入金の利息など
税引前当期純損益経常損益+特別利益ー特別損失特別利益(損失)は本業以外からのもうけ(損失)のうち、多額かつ特殊要因により発生したもの
特別利益の例:固定資産売却益 など
特別損失の例:投資有価証券売却損 など
当期純損益税引前当期純損益ー法人税等法人税等は、国税の法人税、地方税の住民税及び事業税をいう。

数値例で示すと以下のようになります。

数値例では、会社全体を想定したものですが、実際の決算書でも会社全体の損益しか表示されません。

しかし、実際には、単一の事業を営んだり、単一の商品のみを販売したりというケースは少ないです。

そこで登場するのがセグメント別損益管理です。

セグメント別損益管理をすることで、どの事業・商品が儲かっているか、儲かっていないかが明らかになります。

次のセクションで、セグメント別損益管理をするための方法を紹介します。

セグメント別損益管理

セグメント別損益管理とは?

セグメント別損益管理は、事業ごとや商品ごとなどの切り口で損益管理をすることです。

イメージは次の通りです。

セグメント別損益管理は、どの切り口で損益管理をするかが重要です。

どの切り口で損益管理をするかというのは、自社のビジネスをどう捉えているかと同義です。

自社のビジネスをどう捉えるかは、経営者が考えます

実際どうやるの?

帳簿入力

経営者がどの切り口で損益管理をするかを決めたら、実際に帳簿入力に反映させる必要があります。

帳簿入力する際、「勘定科目」「取引先」「金額」「摘要」を入力すると思いますが、それに加えて、「部門」ないしは「補助科目」を入力します。

一般的な会計ソフトであれば、「部門」や「補助科目」を設定できます。
(設定方法はお使いの会計ソフトの説明書をご確認頂ければと思います)

事業ごとで損益管理をする場合には「部門」を、商品ごとで損益管理をする場合には「補助科目」を入力するとよいでしょう。

どの損益を把握すればいいの?

セグメント別損益管理ではどの損益を把握すればいいでしょうか?

「損益とは?」で紹介した損益の種類のうち、「営業損益」は「本業のもうけ」と紹介しました。

各事業はビジネスとして営む以上、本業・副業の区別はないので、すべてが本業です。

ということは、セグメント別損益管理では「営業損益」を把握すればいいです。

セグメント別損益情報の使い方

セグメント別の損益情報が手に入ったとして、どのように使えばいいでしょうか。

単月の情報や1期分の情報だけでなく、過年度からの実績推移(最低3年分)を参照しながら、自社の強みと弱みを把握しましょう。

その上で、強みを伸ばし、弱みがあれば、どう改善するか、撤退するかを、経営者が判断します。

ひとつ参考になるものとして、PPM分析という手法を紹介します。

1970年代に、アメリカの大手コンサルティング企業 ボストン・コンサルティング・グループが開発した分析手法で、「PPM」は、「Product Portfolio Management(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」の略称です。

この手法は、「市場成長率」と「市場占有率」を軸にして、自社の事業を「花形」、「金のなる木」、「問題児」、「負け犬」に分類して、どの事業にどれだけの資源を配分するかを決定するものです。

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分類内容
花形将来、安定した収益の柱となる事業
市場成長率が高く、競争が激しいので、経営資源を積極的に投入する
金のなる木市場成長率が低いので、積極的に投資せず、花形や後述の問題児に配分する
問題児市場成長率が高いので、積極的に投資して、花形や金のなる木に育てる
負け犬利益が見込めないので、撤退や売却を検討すべき事業

なお、PPM分析は、

  • 他の事業とのシナジー効果を考慮していない
  • 財務指標だけで判断しており、イノベーションの創出を考慮していない
  • 経験効果を考慮していない
  • 新規事業には向いていない

といったデメリットがあり、PPM分析だけで事業の成否を判断するのは危険ですので、方針を決めるための参考情報としたほうがいいでしょう。

まとめ

自社の強みと弱みを把握して、強みを伸ばし、弱みは改善するか、もしくは、撤退するかの判断をして、想定外の事象が生じても対応できるようにする必要があります。

そのためには、セグメント別損益管理により、自社が定義した事業の損益を把握することが重要です。

編集後記

iPhone 12が発表されましたね。

Pro、Pro Max、mini、無印の4種類のすべて5G対応ですが、いかんせんインフラが整っていないので、5Gの恩恵は受けられないかもしれません。

あと、Amazonプライムデーで注文したモバイルディスプレイが到着しました。

Fire TVやNintendo Switchとも接続できて、仕事以外での使いみちもありそうです。

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