みなさん、こんにちは。クラウド会計専門公認会計士の中田裕司(なかたゆうじ)です。
決算が近づいてくると、節税をしましょうという声が聞こえてきますが、今日は、逆に節税しない方がいいですよというお話です。
会計士が節税をしない方がいいですよなんて言うと、「何言ってんの?」と思われるかもしれませんが、しばしお付き合いを
なぜ、節税したいと思うのか
なぜ節税したいのかと考えた時に、次の3つがあげられると思います。
- コストをかけたくない
- 国や地方公共団体のことを信用していない
- 巷で言われる節税策を見て自分もやってみたいと思った
コストをかけたくない
税金もコストなので、1円でも多く利益を出したいと思う経営者であれば、 節税したいと思うのは当然のことです。
ですが、それは損益計算書(PL)だけを見ている方の発想で、貸借対照表(BS)のことを見ていません。
後ほど紹介しますが、節税ばかりを考えていると、BS が悲惨なことになります。
国や地方公共団体のことを信用していない
税金は、 公共サービスを受けるための対価として、国や地方公共団体に納めるものです。
国や地方公共団体が何にもしてくれないとか、無駄遣いをしてると思うと、何で税金なんか払わないといけないんだ、払うのがバカバカしいという気持ちになります。
(国や地方公共団体が何もしてくれないということはありませんが、無駄遣いはあります)
ですが、節税すると、今まで当たり前のように受けていた公共サービスが削減されることもあります。
また、国や地方公共団体が無駄遣いしているのを変えたいと思うのであれば、節税ではなく選挙に行って一票を投じる方がよっぽど建設的です。
巷で言われる節税策を聞いて自分もやってみたいと思った
前の2つは、曲がりなりにもポリシーがあってのことなので、致し方ない部分はありますが、この「巷で言われる節税策を聞いて自分もやってみたいと思った」というのが一番困ります。
知り合いからこういう節税策があるって聞いたんだけどとか、何かの記事で見たんだけどとかという、責任のないところで言っている話を鵜呑みにされることが多く、説得しようにも、聞く耳を持たない方が多いからです。
(このブログで、説得をしようと試みています)
節税をするにはどうすればいいのか?
税金はざっくり言うと、
税金=(収益ー費用)×税率 で計算されます。
ということは、節税をするにはどうしたらいいでしょうか?
答えは、
- 収益を減らす
- 費用を増やす
の2つです。
(税率は決まっているので、変えられません)
このうち、「収益を減らす」というのは、決算書の見栄えが良くないので、節税策として考える方はいないと思います。
(脱税を考える人は、意図的に収益を減らしたいと思いますが)
一方、「費用を増やす」というのはどうでしょうか?
費用を増やせば、儲けが少なくなるので、その結果、税金が安くなります。
ですが、この費用を増やすというのが、後々困ることになるわけです。
節税するために費用を増やしたら、資金繰りに困ることになる
先ほど、費用を増やせば、儲けが少なくなり税金が安くなることを紹介しましたが、これを続けていると何が起きるか、次のスライドで確認してみましょう。
現金が減っていくということは、新たな投資もできないですし、銀行だって、お金を貸してくれません。
過度に節税をすると、現金が底をついて、会社がつぶれます。
もちろん、節税のすべてを否定するものではありませんが、巷に言われる節税策の大半は、
- 節税した以上にお金が増えない(というか、お金は減ります)
- 税金の支払いを将来に先延ばしている
ことが多いので、節税というワードを聞いたら、資金繰りはどうなるというセンサーが働くようになるくらい、資金繰りを気にするようにしましょう!!
誤解のないように申し上げると、数々の税務上の特典(=節税)はありますが、特典の適用を受けたいから費用を増やすのが間違いなのであって、会社にとって必要な投資をしたり、費用をかけた結果、税務上の特典を受けられるのであれば、当然、特典を受けるべきです。
まとめ
今日は、節税をしない方が資金繰りがよくなるというお話でした。
会社を存続させるには、兎にも角にも、お金が大事です!!
編集後記
今日は、イングランドサッカーのFAカップの4回戦、5回戦のドロー(組み合わせ抽選)があり、リバプールは、4回戦でマンチェスター・ユナイテッドと対戦することが決まりました。
週末、リーグ戦で対戦し、翌週FAカップでも対戦することになりました。
リバプール、2連敗ありえまっせ。
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