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スマホ料金の値下げの先にあるものは?

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みなさん、こんにちは。クラウド会計専門公認会計士の中田裕司(なかたゆうじ)です。

2020年の年末から2021年年明けにかけて、大手携帯キャリアのNTTドコモ、ソフトバンク、KDDIが、いずれも、20GB+1回5分以内通話し放題で、2,980円(税抜)という新料金プランを発表しました。
(KDDIは、月額20GB 2,480円(税抜)+5分以内通話し放題はオプションで500円(税抜)となっています)

わたしは、格安SIMを使っていますが、格安SIMの料金にだいぶ近づいてきました。

政府が、携帯料金を値下げするように要請した効果があったのでしょう。

家計にはありがたい値下げですが、わたしは、本当にこの値下げがいいものなのかどうか、疑問に感じています。

今日は、スマホ料金の値下げの先にあるものを見ていきたいと思います。

目次

これから起きること

格安SIM業者の淘汰が進む

MM総研の「国内MVNO市場調査(2020年9月末時点)」によると、2020年9月末現在、携帯電話契約数に占める格安SIMの比率は、10%に満たないです。

10%に満たない格安SIMの回線の半分以上を6社(UQ、楽天、IIJ、NTTコム、mineo、BIGLOBE)が占めており、少ないパイを奪い合っています。

しかも、UQはKDDIに統合され、格安SIMという扱いではなくなるので、比率はもっと減るはずです。

大手キャリアが価格面で格安SIMに近づくと、格安SIM業者は対抗して値下げをするかもしれませんが、ただでさえ、利幅が薄いところにさらに値下げとなると、耐えられない格安SIM業者も出てくるでしょう。
(特に格安SIMは価格が第一なところがありますので。。。)

そうなると、格安SIM業者同士で統合したり、大手キャリアの傘下に入ったり、事業を廃止したりするなど、格安SIM業者の淘汰が進むでしょう。

キャリアショップがさらに減る

今回の新プランは、すべてネットでの申込ということで、キャリアショップでの申込は受け付けていません。

大手携帯キャリアが高い料金を維持していたのは、キャリアショップ(代理店)に対するインセンティブの支払をするためです。
(キャリアショップはキャリア直営ではなく、代理店方式が一般的です、というか、ほとんど代理店です)

ですが、この値下げで、代理店に支払うためのインセンティブの原資が減るわけですから、大手携帯キャリアからのインセンティブを主な収入源にしていた代理店の売上も減るわけですから、代理店、すなわち、キャリアショップの淘汰がさらに進むでしょう。
(代理店の端末販売はほとんど粗利はありません)

以下の記事は、値下げ前の状況ですが、値下げ前ですら、減少傾向にあったので、減少に拍車がかかると思います。

NTTドコモの有価証券報告書(2020年3月期)の個別財務諸表 「電気通信事業営業費用明細表」には、雑費が約7,500億円とあります。

すべてが代理店手数料ということではないですが、かなりの代理店手数料を支払っていることが推測されます。

NTTドコモ 2020年3月期 有価証券報告書
電気通信事業営業費用明細表

新規参入が減って、新陳代謝がなくなる

料金が値下げされるので、大手携帯キャリアも代理店も単純に売上が減ります。

そうなると、携帯ビジネスにうま味がなくなり、新規に参入したいと思う業者が減るでしょう。

キャリアは設備投資負担が大きいので、もともと、新規参入はよほどのことがない限りできませんが、特に代理店が減っていく中で、新たに代理店をしたいと思うインセンティブはなくなるでしょう。

わたしは、新規参入が減ることが一番良くないと思います。

どんな産業でも新規参入の登場によって、業界が活性化されるわけですが、その新規参入が減ってしまうと、業界はジリ貧になってしまいます。

政府が口を出すとろくなことがない

今回に限らず、安倍政権の時代から、政権の人気取りなのか知りませんが、携帯業界に口出ししています。

たしかに、3社の寡占状態が続き、料金が高止まりしていた面がありました。

そんな中で、楽天が参入したわけですが、楽天に関して、最近何だか良からぬニュースも出てきています。

ビジネスのことは市場に任せるのが基本で、政府がビジネスに口出しすると、どこかでひずみが出てきます。

先ほど、新規参入が減ると申し上げましたが、政府の口出しによって価格を下げた結果、業界がジリ貧になったら、政府は責任取れるのか甚だ疑問です。
(というか、政府が料金を決めたわけではないと言ってくるでしょう)

まとめ

わたしは、携帯業界の専門家でもなく、妄想もありましたが、ニュースを見て思ったことをつらつらと書いてみました。

わたしの言っていることが外れたら、大いに笑ってやってください。

編集後記

そう言えば、1月14日が誕生日でした。

今月から介護保険料も納めるようになったので、年齢は言わないでもわかりますよね?


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